2015/08/30

不思議な話

 法科大学院生時代、司法書士の簡裁代理権の認定について疑問があり、担当官庁に質問をさせていただきました。
それは、司法書士の有資格者が①法科大学院修了者である場合、②司法試験合格者である場合、③司法研修所修了者である場合、④弁護士登録者である場合に、同認定の研修と認定試験を受けなければならないのか?ということです。

 みなさんは、どう思われるでしょうか?
 
 ④の弁護士登録者は、そもそも最高裁判所の訴訟代理人として、1審の地方裁判所の代理人から2審の高等裁判所の代理人を経て、訴訟を担当できる。
 そうであるなら、司法書士有資格者でその後④の弁護士登録者になった場合、あえて司法書士を登録の上、司法書士として簡易裁判所の代理人として業務を処理したいという場合、別に研修をうけて試験を受ける必要がないようにも考えられます。
 (この考え方が、一般的なのでは。)

 しかし、「法律上④の弁護士登録者であっても、その認定研修と試験を免除する規定はないため、研修を受け認定試験を受けてください」、ということが担当官庁の回答です。

 この研修において研修受講生に講義をしている法曹関係者が、教える立場でありながら、法律上、自分が教えている研修とその成果をみる試験を受けて合格する必要がある、ということです。
 このため、①~③の人は、④の仕事ができる状態でもだめなのだから、当然それ以前の段階の①~③の人は認められないといいうことです。

 この質問に対して、今後改正を検討する旨の含みのある回答ではなかったため、現在もこの見解が維持されているのでしょう。

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追記
特定行政書士制度が、実施されていることについて、私は今日(9月3日)知りました。
そのことについて関連記事です。

(私事)アルバイトの期間満了時に、上手く法律系事務職(現在は主として司法書士法人)に就業できるよう考えてきました。そのため短期アルバイトを選んでいました。情報不足は定職につく活動に取組んできた日々が、多忙だったからかもしれません(奨学金の支払い等)。

「特定行政書士」は、許認可手続きに関する不服申し立て手続きに関する代理業務ができるという「行政書士+特定業務」資格です。
この特定行政書士は、研修を受講の上、考査を受験して合格後に得られます。

平成26年6月20日に成立した改正行政書士法には、弁護士資格登録者で行政書士資格登録者の研修と考査の免除規定がありません。そのため、弁護士と行政書士を双方登録している人が、この研修を受けなければならないのか?という疑問が生じます。

行政書士の登録のためには、行政書士試験に合格する以外にも弁護士資格者は、そもそも行政書士資格者であるため、行政書士の登録申請することで行政書士の資格登録ができます(行政書士法2条2号)。
これに対し、司法書士の登録のためには、弁護士資格が司法書士資格者となる旨の法律上の規定がありません。そのため、法務事務官等の経験後に弁護士となった場合等を除いて、司法書士試験に合格しなければ司法書士登録はできません。

この二資格を比較すると、行政書士資格は、弁護士資格者であればだれでも関係する問題です。弁護士であるけれども行政書士を業務上登録して事務を取り扱おうとする場合、特定業務は、研修を受講し考査に合格する必要があるのか?という問題に直面します。

法科大学院では、民事系、刑事系、公法系科目をそれぞれ研究科において学習します。その課程修了後に司法試験に合格して司法研修所を修了した弁護士資格者(実務経験認定者も含む)が、さらにこの研修・考査を受ける必要があるのか疑問です。
高い法的素養が基礎にある弁護士資格者の行政書士登録者の特定業務適性を確認する必要があるのか、ということです。

私は、弁護士資格者で行政書士登録者である場合に、その人が「特定」業務を行政書士として取り扱う必要があれば、研修・考査不要で申請のみで付与されるべきだと思います。

参考 法律系士業 使命・目的について 

弁護士法   第1条 (使命)
1項 弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。
2項 弁護士は、前項の使命に基き、誠実にその職務を行い、社会秩序の維持及び法律制度の改善に努力しな ければならない。

司法書士法  第1条 (目的)
 この法律は、司法書士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、登記、供託及び訴訟等に関する手続の適正かつ   円滑な実施に資し、もつて国民の権利の保護に寄与することを目的とする。

行政書士法  第1条 (目的)
 この法律は、行政書士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、行政に関する手続の円滑な 実施 に寄与し、あわ   せて、国民の利便に資することを目的とする。

以上記事が長くなったにもかかわらず、お読み頂きありがとうございます。

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